法人口座はどこで開設できる?開設できる金融機関の種類とそれぞれの違いは?
法人口座を作るには、メガバンク(都市銀行)、地方銀行、信用金庫、信用組合、ネット銀行などで開設することができます。
ご自身にあった法人口座を選択できるよう、それぞれの特徴をご紹介します。
1-1. 口座開設にかかる期間はどのくらい?
店舗型の銀行の場合、口座開設のための面談予約が数週間先まで空いていない、書類の郵送に時間がかかるなどがあります。また、起業したばかりの企業は、メガバンクの審査が通らないというケースも多いと思います。
一方、ネット銀行は、早ければ即日でオンラインで手続きが完結できる仕組みの銀行もあるため、できるだけ早く法人口座が必要な方はネット銀行がオススメです。
メガバンクや地方銀行など
店舗(窓口)
2週間程度
ネットバンキング
2週間程度
ネット銀行(ネットバンキング)
最短即日~1週間程度
1-2. できるだけ楽に口座開設できるのはどこ?
メガバンクや地方銀行など店舗がある銀行で口座開設したい場合、来店し用紙に必要事項を記入して申請する手続きがあります。他にも、固定電話がない、バーチャルオフィスなどの場合、申込ができないことがほとんどです。
一方、ネット銀行は来店不要でオンラインで手続きができるため、開設の手間を減らしたい方にオススメです。
メガバンクや地方銀行など
店舗(窓口)
店舗で申請
ネットバンキング
店舗+オンライン手続き
ネット銀行(ネットバンキング)
オンライン手続き
1-3. 安く口座を利用したい!結局トータルでどこが一番安いの?
コストを抑えたい場合には、ネット銀行がオススメです。
メガバンクや地方銀行など店舗がある銀行でインターネットバンキングをしようとすると月額料金がかかる場合があります。
一方、インターネットバンキングが基本のサービスであるネット銀行は利用料がかかりません。また、ネット銀行は実店舗を持たないため各種料金が安価というメリットもあります。
1回の振込手数料だけを見ると数百円程度の違いですが、年間で考えると知らず知らずのうちに経費がかさんでしまいます。
メガバンクや地方銀行など
店舗(窓口)
口座維持費
無料
振込手数料
ネットバンキングと
比べて高い
ネットバンキング
口座維持費
有料
振込手数料
店舗と比べて
安い
ネット銀行(ネットバンキング)
口座維持費
無料
振込手数料
安い
金融機関別の「維持管理手数料」と「振込手数料」の比較
メガバンク(都市銀行)
三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 | りそな銀行 | ||
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維持管理手数料/月 | 1,760円 | 2,200円 | 3,300円 | 2,200円 | |
月振込手数料 | 同一支店宛て | 110円 | 110円 | 無料 | 無料 |
本店宛て | 110円 | 220円 | 220円 | 330円 | |
他行宛て(3万円以上) | 660円 | 330円 | 660円 | 605円 | |
他行宛て(3万円未満) | 484円 | 165円 | 490円 | 605円 |
主な地方銀行
きらぼし銀行 | 北洋銀行 | 横浜銀行 | 千葉銀行 | 静岡銀行 | 福岡銀行 | 広島銀行 | 西日本シティ銀行 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
維持管理手数料/月 | 2,200円 | 1,320円 | 2,200円 | 2,200円 | 1,650円 | 1,430円 | 1,650円 | 1,430円 | |
月振込手数料 | 同一支店宛て | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
本店宛て | 110円 | 110円~ | 110円~ | 110円 | 110円~ | 55円~ | 110円~ | 110円 | |
他行宛て(3万円以上) | 660円 | 440円 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | |
他行宛て(3万円未満) | 440円 | 385円 | 385円 | 385円 | 385円 | 330円 | 374円 | 330円 |
ネット銀行
GMOあおぞらネット銀行 | PayPay銀行 | 楽天銀行 | 住信SBIネット銀行 | auじぶん銀行 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
維持管理手数料/月 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 2,200円 | |
月振込手数料 | 同一支店宛て本店宛て | 無料 | 55円 | 52円 | 無料 | 55円 |
他行宛て(3万円以上) | 145円 | 160円 | 229円 | 145円 | 90円 | |
他行宛て(3万円未満) | 150円 |
1-4. 利用時間で比較
店舗の場合、土日祝日は利用できず特定の時間に限定されます。一方、ネットバンキングであれば24時間365日、システムメンテナンス時などの特定のタイミングを除き利用できます。急な利用が想定される方は、ネットバンキングが利用できる金融機関がおすすめです。
メガバンクや地方銀行など
店舗(窓口)
平日9時~15時
ネットバンキング
原則24時間365日
ネット銀行(ネットバンキング)
原則24時間365日
法人口座を選ぶ際のポイントは?
口座開設までの早さや、利用にかかる各種コスト、利用時間などのほかに以下のような点もチェックしてみると良いでしょう。
取引先の信用が必要か
取引先の信用が欲しい方はメガバンクや地方銀行の利用がオススメです。
メガバンクに代表される三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行や地方銀行は利用社も多く信用度は増します。
しかしながら、昨今ネット銀行を利用している法人も多く、インターネットでビジネスを展開されている方は特にネット銀行だからというマイナス影響はないように見られます。
税金の支払いができるか
ネット銀行では税金の支払いに対応していない事が多いため、税金の支払いを最優先される方はメガバンクや地方銀行がオススメです。
融資・ビジネスローンが利用できるか
多くの金融機関で融資・ビジネスローンを提供していますが、金融機関によって借入できる金額が異なります。
1憶円以上の大きな金額の借入が希望の場合は、ネット銀行では対応していないことも多いため、メガバンクが良いでしょう。
一方で、1憶円以下の借入を想定している場合は、借入審査の簡便さや利便性などを総合して借入先を判断するのがおすすめです。
銀行の上手な活用方法は、ズバリ「複数利用」
法人口座は、メインはメガバンク・地方銀行を利用し、一部の利用でネット銀行を利用するのが一般的と言われています。
これは、振り込まれる際には利用者が多い銀行を利用し、振り込みには振込手数料の安いネット銀行を利用すると経費削減になるといった理由からです。
また、複数銀行を利用するメリットは上記の他に、「資金管理がしやすい」「融資を受けられる可能性が高くなる」「ペイオフ対策」といった点が考えられます。
一方、デメリットは「管理の手間がかかる」点です。
メリット、デメリットの両方を検討しご判断ください。
【2023年7月版】オススメ法人口座!
口座開設までの早さや、利用にかかる各種コスト、利用時間などのほかに以下のような点もチェックしてみると良いでしょう。
4-1. GMOあおぞらネット銀行

当サイトで最もオススメするネット銀行は「GMOあおぞらネット銀行」です。
以下にその理由をご紹介します。これまで紹介してきた法人口座選びのポイントをおさえたお得で便利な法人口座であることがわかります。
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条件次第で最短即日口座開設
①取引責任者と代表者が同一、②セルフィー動画の2つの条件を満たせば、即日開設が可能です。すぐに口座が欲しい方はま申し込んでみて損はない銀行です。
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振込手数料が安い
同行間無料で、他行宛ても145円と安価に利用できます。振込手数料を抑えるために、オリックスFlicoといった振込代行サービスをご利用されている方も大満足の安さだと思います。
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開設しやすい?審査が緩い?
twitterで開設しやすい銀行、審査が緩い銀行というツイートが多く見られます。必要書類は他ネット銀行と大差ないものの、不備があっても親身に対応くれると評判です。さらに、固定電話ではなく携帯電話でも申込が可能で、バーチャルオフィスでも問題なく開設できているという事例もあるようです。
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Pay-easy(ペイジー)での支払い対応
2023年1月よりPay-easy(ペイジー)での支払いにも対応しています。これまで未対応だったため仕方なく他行を使っていた方も効率的に利用できるようになります。
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法人は他行宛て振込回数が毎月20回無料
通常1回145円かかる他行宛て振込手数料が3カ月間20回無料、設立1年未満の企業は設立1年経過まで毎月20回まで無料になる特典があります。
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開設までに時間がかかるようになった
最短即日で開設できる方は一定量いるものの、開設までの時間がかかったという口コミもあるようです。繁忙期といった申込タイミングの問題なのか原因はわかりませんが、Bad Pointと言えます。
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口座振替指定先が少ない
後発の銀行という事もあり口座振替で対応できない利用先が多いです。徐々に拡大しているようではあるもののまだ未対応先は多く残っていそうです。
4-2. PayPay銀行

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Pay-easy(ペイジー)対応
Pay-easy(ペイジー)に対応しており税金の支払いも可能です。
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振込手数料 月5回まで無料特典あり
前月の預金平均残高3,000万円以上の方は同行宛て含め月5回まで振込手数料が無料になります。
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カードレスVisaデビットの提供
リアルカードは発行せずバーチャルカードとしてのカードレスVisaデビットを利用できます。
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手数料は高め
同行宛ても有料で他行宛ても160円とGMOあおぞらネット銀行などと比べて割高になります。
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デビットカードの特典なし
カードレスVisaデビットがあるものの、通常のVisaデビットカードの特典はありません。
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PayPayとの連携優遇なし
PayPayを扱う店舗はPayPay銀行を使っても優遇はありません。多くの銀行での受け取りが可能なのでPayPayを利用する店舗であってもフラットに考えていいようです。
4-3. 楽天銀行

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楽天市場店舗向け限定特典
楽天への支払いなら口座振替無料など優遇特典があります。
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利用できるATMが豊富
セブン銀行やイオン銀行に加え三菱UFJやみずほ銀行などの都市銀行ATMでも利用可能です。
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JCBデビットカードで1%キャッシュバック
利用金額の1%をキャッシュバックの特典があります。キャッシュバックの適用時期の記載はありませんでした。
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手数料は高め
同行宛ても有料で他行宛ても229円とGMOあおぞらネット銀行などと比べて割高になります。
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デビットカードの特典あるも年会費あり
利用金額の1%がキャッシュバックされるもののカードの年会費がある為一定額以上利用できない方にはマイナスとなります。
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法人の優先は低い?
法人向けの電話対応、専用ページもなく個人向けに注力されている印象です。
4-4. 住信SBIネット銀行

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最短翌営業日での開設
こちらも取引責任者と代表者が同一である事、スマートフォンでの本人確認という条件で最短翌営業日での開設が可能となります。
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振込手数料 同行宛て無料、他行宛て145円
料金改定により同行宛て無料、他行宛て145円で展開しています。
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優遇プログラム適用で振込手数料最大20回無料
振り込まれた件数、デビットカードの利用金額によって優遇対象となる優遇プログラムを実施しています。優遇プログラムのハードルはスタートアップの企業にはやや厳しいものの、長く事業をやられている企業にとっては低いハードルで設定されています。
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ネット銀行の中では審査基準が高い
ネット銀行は都市銀行・地方銀行よりも審査基準は低いと言われていますがその中でも住信SBIネット銀行は高いと言われています。バーチャルオフィスの会社はまず審査落ちを覚悟しましょう。
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法人カードはスペックが低い
還元率は0.6~0.8%のポイントと他銀行と比べて低めになっています。ポイントは現金交換できるものの500ポイントから、有効期限3カ月となるので注意が必要です。
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税金の支払いに未対応
GMOあおぞらネット銀行が対応した事で主要ネット銀行のうち唯一未対応となります。対応するリリースも出ていない事から法人の方には不満な点になるのではないでしょうか。